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電話カウンセリング・対面カウンセリング

ドラマや小説の世界で、度々カウンセリングの場面を目にすることも多く、カウンセリングがどんなものか、イメージはあるのではないかと思います。が実際受けるとなると、どんなものだろう?と思われる方も多いでしょう。

カウンセリングのスタイルは、カウンセラーの個性の数だけ無数にあるでしょう。また相談者の個性の分だけ無数にあるとも言えるでしょう。こちらでは相談に来られた方の性格傾向、治療目的、問題を解決するため、その方のどう言った心理に働きかけるかを視野に、その方に合った最善なカウンセリングを目指しますので、こう言う技法を使いますとか、こうした流れでお話を聴きます、とは一概に言えません。が、一言で言えば、相談者の語る話を、どんな内容のことであれ、誠実にお聴きするということになります。

たまに他のカウンセリングルームから来られた方から、「(カウンセラーは)ただ聞いているだけで、満足できなかった」と言う声も聞く事があります。

私の恩師であられた心療内科医師、故 桂載作先生の「相談者の話は、火星人から話を聴くつもりで、伺いなさい」という言葉が印象的でした。どう言うことかと言うと、聴き手側の既成概念や、一切の善悪の基準や、一般常識を取り払い、良い・悪い、正しい・正しくないの批判や、自分の意見の押し付けをせずにお話を聴きなさいということで、私もそうあろうと努力しています。

そうした姿勢でお話を伺っていると、次第に相談者とカウンセラーの間に、ラポール(信頼関係)が生じてきます。どんなカウンセリングでもこのラポールというのは重視されることです。
ラポールがある人間関係では、話すことを躊躇していたような心の深い所の内容のことでも、心を開いて話して下さいます。カウンセラーもより一層、相談者への理解と共感(エンパシー)が生じ、関係が密になり、そうした人間関係の形成が、安心感を生み、相談者の心理を良い方向に向かわせるのに役立って行きます。

そのような関係性が成り立った上で、先入観なく話を聴いていると、「なぜこの方は、そう思われたのだろう?」と言った疑問が生じ(実際はカウンセラーの勘所が働くことも多いのですが)、そうした質問を何度もします。そこで相談者は改めて、「自分はなんでそう思うのだろう」と頭をめぐらし考えます。

例えば、職場の人に挨拶したら無視されて、「あぁ私はまた嫌われてしまった」と嘆いている人がいたとします。

「なぜ嫌われてしまったと思うのですか?」とか「なぜ、“また”と思われたのですか?」と尋ねたりします。 この時、相談者は無意識的に・なかば自動的に「嫌われた」と思い込む傾向が自分にあることに気付いて行く事になります。とそのような気付きの積み重ねで、その方のマイナス思考が変容するのに役立って行きます。

「なぜその方に、嫌われたくなかったのですか?」とか「嫌われたとすると、どんな不利益がありますか?」と尋ねたりします。そこで相談者は、考えます。「別にその人に嫌われたからと言って、現実的には何も困らないのになぁ」なんて。そのうち嫌われる人=世間的にダメな人、とか、自分はみんなから好かれていなければいけない、と言うような少し極端な価値基準や、高い自己イメージがあったことに気付いて行くことになります。
物事には「良い面」と「悪い面」(あくまでその方にとって、と言う意味ですが)があるものですが、「悪い面」ばかり見てしまい、マイナスに考えてしまう傾向がある場合、カウンセリングの中で、物事の捉え方や視点、価値観などが広がり、結して「悪い面」ばかりではなかった、両面あって良いのだと思える余裕ができ、変容するのに役立って行きます。

あるいは、その相手の方に、自分でも意識していた以上の「好意」「恋愛感情」を抱いていたことに、初めて気付いたりします。ご自分の感情に、とても鈍感になっていらっしゃる方がいます。自分の気持ちがもっと分かれば、どうしたいのか?どうするか?など次のステージに、より進めることになります。

「なぜ嫌われると、辛くなるのでしょうか?」とか「他でも同じような辛さを感じた場面がありましたか?」と尋ねたりします。
そこで相談者は、考えます。そのうち、自分は親からあまり褒められたり、肯定されたことがなかったため、認められたり、受け入れて欲しい気持ちが強かった事などに気付いて行きます。他人に認められて、初めて自分の存在が成り立つ、と言ったようなある種の依存が強い傾向がある場合、相談者は改めて、自立や成長と言ったテーマに取り組み、変容するのに役立って行きます。

もちろん本当に嫌われているのかどうだか確かめるにはどうするか?嫌われる要因が自分にありはしなかったか?嫌われないようにはどうしたら良いか?といった話し合いが行われることもあります。

「相談者は火星人」、とは言え、同じ人間、しかも日本人でもあるわけですから、悩みの根源は、共通する事も多いわけです。良くなっていく流れにも共通する事は多いわけで、そうした理論も加味して、問題を診立て、カウンセリングを行っていきます。

また、気持ちを言語化するのが苦手な方には、アートセラピー、と言った方法で感情を表現する方法も取り入れて行います。

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